昨年に引き続き、二回目でした…
当ブログでは、
美術のことを中心に、書いているのですが、
昨年に引き続き、珍しいところを巡りましたので、
備忘録も兼ねて、書いていきますねー
いつもと毛色が違いますが、
興味のある方はお付き合い頂けたら嬉しいです。
(ちなみに、ゆこもりは、宗教的にはごく普通の無宗教に近い仏教徒です。
しかも、臨済宗(爆)ちなみに、永平寺は曹洞宗…)
ということで…
さてさて、昨年二月に引き続き、福井県にある永平寺で、
三泊四日の座禅三昧をしてきました!
テレビなどで見たことがある方も多いかと思いますが、
私の永平寺のイメージは、雪の中で、入門する僧侶が、
「たのもー」みたいなことを言っている感じ(笑)
実際、あれは、最初の難関みたいで、
足袋にわらじなので、雨や雪だと濡れて大変なのに、
何時間も待たされたり、問答したりするそうですよー。
渡邊布教部長さんも、二十数年前??そうだったそう…。
今回のゆこもりは昨年の下道で凝り、今年は、高速を使いましたー。
だけれども途中の降雪で、やっぱり時間がかかってしまった…。
渋滞中の高速です…
この時季はやはり侮れぬ
で、どーにか、12時過ぎに永平寺着。
駐車場は昨年同様、お土産屋 田中屋さんにお願いできました~。
雪が降っても、対処してくださるし、ありがたや…。
田中屋さん、ありがとうございました♪
勿論、帰りがけには、おみやげを購入しましたよっ
結局、昨年同様、
12時40分頃に行くと、皆さん既に受付を済ましていて、
ゆこもりは、またもやブービー賞
今回は男性八名、女性四名(定員は、各10名)。
そのあとは、吉祥閣という参禅研修棟の4Fへ。
しっかり、暖房もきいていて、快適♪
(でも、この後書きますが、防寒具は持って行った方がよいですゾ)
書類に必要事項を書き、貴重品を一式預けます。
ここで、カメラ、携帯電話などを預けるので、外部とは遮断されます。
(なので、緊急連絡先として、永平寺を家族に伝えておきました)
まあ、ゆこもりの携帯は、既に圏外でしたので、
いずれにしても関係ありませんでしたが(苦笑)
で、貸してくれる和服・袴に着替えて、基本裸足です。
ゆこもりは、一度、靴下を脱ぎ忘れました…
ここから、怒涛の作法の説明の嵐~(笑)を16時過ぎまで!
まずは、坐禅について。
1)僧堂に入る時は、柱のある、左足から(出る場合は右足から)。
2)聖僧(しょうそう:僧堂の本尊。中央に安置してある仏像の僧形文殊菩薩)さまの前で、
一礼(叉手)。さらに、全体の単に入る前で一礼。
3)自分の「単」の前で、合掌一礼。この時、隣の人が合掌一礼したら、
同時に合掌一礼(隣位問訊:りんいもんじん)。
4)さらに、180度向きを時計回りに変え、対面の人と合掌一礼(対座門訊)。
5)坐蒲の向きを180度変えて、スリッパを脱ぎ、
牀縁(じょうえん:幅30センチほどの木のふち)を踏まないように、単に飛び上がるようにして座る。
6)スリッパを自分の目の前に揃えて、手前にしまう。(これ、結構忘れます!)
7)結跏趺坐または、半跏趺坐で坐禅を組む。
8)左手で坐蒲を支え、右手で、時計周りに反対側を向き、壁と対面する(面壁)。
9)坐る位置は、牀縁から指4本分ほど内側で、坐蒲は、白いタグが見えるように。
10)膝の上に手のひらを上にして置き、体を初め大きく、徐々に小さくゆすり、坐禅しやすい位置を定める。
11)法界定印(ほっかいじょういん:右手を下、左手を上にし、左右親指の先を合わせ、卵の形を作る)に手を組む。
12)鐘の合図で、坐禅始まり。
そして、坐禅といえば、警策(きょうさく)で打たれるイメージがありますが、
あれは基本的には、余程でないと、打たれません。
中には、自分から打たれに行った人もいました(笑)
眠たくなったりして、打たれたいと思ったら、
合掌して待っていると、打ってくれます。
ただ、警策も、結構な音がして、皆に迷惑がかかるということから、
あまり、打たれるのはいいことではないようです。
ゆこもりは結局、今回も打たれずに終わりました。
今回は、前回に比べ、皆さんすっごい打たれてました(爆)
特に、女性陣は坐禅ごとに毎回、複数回打たれてたなあ…
坐禅をやる時は警策に打たれた方がお得
とでも思ったのかなー(笑)
今回は、全体的に、
『坐禅は、他の方と一緒にやっているので、妨げにならない配慮も必要』
という注意が少なかった気がします。
昨年は、
①警策は必要最小限に。
②音はなるべくたてない。
なので、たくあんも音を立てないで食べる
(これは、食事中も座禅中ということからです)
③洗面所など、使った後は、蛇口を左に向けておく。
などなど、
いろ~~~んなことを細かく指導して頂けました。
なので、気づくことも出来ましたので、
今回初めて参加された方はそういう空気感ではなくて、少し可哀そうだったかも…。
まあ、永平寺1年目とか、初めて参禅係になった方とかでしょうから、
雲水さんも大変ですよね…。
ありがたや、ありがたや
そして、永平寺は、坐禅は勿論ですが、
食事の作法(食作法:じきさほう)がきっちり決まっていて、厳しくも美しいんです。
これは、開祖 道元禅師さまが、
典座教訓(てんぞきょうくん)という教えを既に説いていたので、
1244年の開山以来、750年に渡って受け継がれているもの。
まず、一人一人に「応量器(おうりょうき)」という、食事用の器を貸与されます。
写真は、雲水さんが代々使っているものをわざわざ見せてくださった応量器です。
素晴らしい漆塗りのものでした…
詳しい食作法は昨年のブログを参照してくださいね。
やはり一度やっているので、今年はスムーズでした…
一応、所作を書き上げてみますと…
1)「単」(坐禅をする半畳の空間)の畳の左端に置いた応量器を左手に持ち、両手の頭の前で一礼。
2)「単」の登り口にある牀縁の上に応量器を置く。
3)左手の人差し指中指親指で包みを押さえ、右手で袱紗を開け、しわをとるように伸ばす。
4)同様に右手で応量器を押さえ、左側の袱紗をしわをとるように伸ばす。
5)手前側の袱紗を広げ、向こう側の袱紗を牀縁の外に少し垂れるように出す。
6)手前側の袱紗を折り返す。
7)左側から、左右それぞれの袱紗を折り返す。
8)浄巾を左右の真ん中で持ちあげ、三つ折りにして、手前の折り返したところに置く。
9)箸袋を浄巾の下に、口を付ける方を右にして置く。
10)応量器の上に乗っている膝掛を右手で左上の端、左手でその下の端を持ち拡げ、膝に掛ける。
11)応量器を両手で袱紗の左端に移動する。
12)4つある応量器のうち一番小さい器を右端の袱紗の上に両手の親指だけを使って置く。
13)次に、小さい器を同様な方法でさっき置いた器の上に重ねておく。
14)最後に、2番目に大きな器を両親指で持ち、真ん中に反時計回りに90度回転させて置く。
15)箸袋を左手で、左胸に持ちあげ、まず箸から親指を上にして抜き取り、
そのまま手首を返して、手前に口を付ける方を右側にして置く。
16)匙を使う場合(小食)は同様に、さらに手前に置く。
17)刷(せつ:うつわをぬぐう道具)を親指を下にして抜き取り、
上端に人差し指をかけて、右端と真ん中の応量器の間に縦にして入れ、
少し端を牀縁より出して横にして置く。
18)箸袋は、口が右を向くようにして、手前の袱紗の折り返したところに置く。
器は一直線になるように並べること。
所作の合間は、座禅中なので、必ず法界定印(という手の形)にする。
… …
くわー!書くとすごさが増す(爆)…。
雲水さんは、これをつらつらと『立て板に水』で説明して、素晴らしかった~
定員は10人ずつですが、
これは、『単』が5人横一列に並んでいて、
それが、向かい合っている状態なんですね。
基本、二人一組で、給仕してもらうのですが、
ゆこもりは今回、一番右端だったので、一人あぶれることがあり、
それもまた勉強になりました。
そうそう、最近すっかり忘れていましたが、
箸を使わないときは、真ん中の器
(一番左の器は、お釈迦さまの頭蓋骨に
見立てて大切なので、真ん中の器に…、なのかな?)に、
先を自分の方に向けて、10:20に向けて置くんです。
これは、やはり、他の方に箸先を向けないという気遣いなんですねー。
それと、今回も改めて納得したのは、
器を口の近くまで目線の高さまで持って行って、
食べ物を下に見ないようにするという事。
最近、すっかり忘れていたなー
これは、こぼさないこととともに、食物との間に”上下関係”が出来ないようにするというもの。
確かに、上に持ってくると、「頂いている」感・ありがたみが増しますよー
いろいろ細かいのですが、よくよく考えると、理にかなっていて、
そして、食材をとても大切にしているんです。
こぼしたのを教えてくれる係は今年、隣の方がこぼして、拾ってくれていました。
ゆこもりは、こぼしたとき、どうしたら、来てくれるか分からず、
結局コソッと拾って食べちゃった(苦笑)
合掌すると、来てくれるのが正解でした。
お茶、水の順で、刷を使って、応量器や箸、匙を洗い、
お水だけは、一口飲む分を残して、お坊さんが持って来てくれる桶に捨てます。
その時も、まず”偈(げ)”を唱えます。お水にも感謝ということですね。
これは、昨年、ゆこもりが一番感銘をうけたところ。
改めて、お水も無駄にしないようにしようと思いました。
そして、応量器を片付けていきます。
今回も、最後の袱紗の片結びは、初めての方は苦労していました。
よくよく考えれば、分かるのですが、
1)伸ばし拡げた浄巾の上に、左手を手のひらを上にしておく。
2)袱紗の左端を左手の薬指と小指の間に通す。
3)袱紗の右端を左手の人差し指と中指の間に通す。
4)そのまま、左手を下に抜き、縦に結ぶ。
5)下端を上に持って来て、上端を反時計回りに回し、
6)上端を下端の下に折込んで、片結びの出来上がり~。
(爆)!!(爆)!!(爆)!!
やっぱり文字にしたら、わからな~い(大爆)
それでは、実際の二日目スケジュールを以下に書いてみます。
4:10 振鈴 起床の合図 これが鳴ったら、布団をたたみ、洗面を済まします。
4:40 暁天坐禅 時間までに面壁(壁に向かって、坐禅すること)をして待ちます。
行香後止解 お坊さんが、聖僧さまにお線香をあげて、坐禅始まり。
5:10 大開静 坐禅を止めて座を下ります。
5:30 法堂(はっとう)へ。
白足袋もしくは、白い靴下を履き、和服の下に、防寒着を着込んで行きます。
風邪をひかないようにと、永平寺では、中に着込むのもオッケー♪
吉祥閣を出て、法堂へ向かうと、一気に寒さを実感します!
ゆこもりは、今年も、
靴下2枚、ジャージ上下、ハイネックセーターまで着ました(笑)
途中、大庫裡に寄り、擎盤(けいばん:庫院から食事を頂いてくること)で、空の桶を預けます。
6:00 朝課 朝のお勤めですね。
途中、合掌一礼や礼拝(まず両足をそろえて立ち、合掌一礼し、
次に、まず右膝をつけ左膝を地につけ、次に右手、左手、そして額を畳につけます。
更に額を地につけた時に両手の掌を耳の横で上に向け、こころもち(5センチ位)もち上げます。)
を行います。私たちの時は、道元禅師・二代懐奘禅師へのお焼香もありました。
これが、7時くらいまでありました。
大庫裡で、料理の入った桶を受け取り、戻ります。吉祥閣の暖かさが嬉しかったー♪
7:30 小食 朝はお粥です。今回は、時季的にお餅が入っていて、おいしかった~
8:30~9時過ぎ 作務(そうじ) 僧堂、東司、控室を分担して、掃除します。
9:35 止解 坐禅始まり。
9:50 放禅 坐禅終わり。
10:10~11:00 食作法講和 by 渡邊布教部長
昨年同様の渡邊部長さん♪
柔和な語り口の方で、道元禅師のこと、
食事のことなどいろいろお話しくださいました。
11:40~12:50 中食 お昼だけ、出生(すいさん)の偈をしました。
刷にご飯粒を7粒ほどのせて、羅刹・鬼子母神などに食事を施与するもの。
13:20 止解 坐禅始まり。
14:00 抽解 休憩。
14:30 坐禅講和 結跏趺坐や半跏趺坐の個人指導をして頂きました。
ゆこもりはこのあと、坐蒲の違う使い方を知り、坐禅が楽に!!
でも、これは、ちょっと亜流っぽいので、ここでは言いません…
16:00 止解 坐禅始まり。
16:40 薬石
17:50 入浴
18:40 止解 坐禅始まり。
19:10 放禅 坐禅終わり。
19:20 法話 by 山縣布教副部長
高校の家庭科の先生という経歴から永平寺に、という変わった経歴の方。
面白いお話を伺えました♪
20:00~20:40 ビデオ(永平寺の一年。30分)
21:00 開枕
見てお分かりの通り、まさに、坐禅三昧です。
これでも、講和などが入っていて、容赦してくれています(苦笑)
今年は、昨年よりは、特別なことはありませんでした。
でも、シンプルイズベスト!です。
12名中7名が初体験の方なのに、
すぐに、展鉢にも対応されていて、素晴らしかったなー。
参禅係(さんぜんけい)のお坊さんは、
皆さんゆこもりより、一回り以上お若いのに、丁寧に、親切に対応してくださいました。
改めて、お礼を述べたいと思います。
ありがとうございました!!!
引き続き、日常に活かせるようにしたいと思います。
永平寺関連のHP
http://www.mitene.or.jp/~katumin/
~ご注意を~
今回の情報も、あくまでその時点でのものですので、ご理解ください。
(細かい所作は、結構変わるみたいです)
備忘録の要素が強いですので、諸々の感想などは、あくまで個人的なものです。
細かいことは、思い出しながら書いたので、うろ覚えのところがかなりあります。
参禅研修に行く方の、ちょっとした安心に繋がれば幸いです♪
140131 追記
~坐禅中、目を開けることについての考察~
永平寺では、目を開けて坐禅するんです。
ゆこもり的には、目を閉じた方が、集中しやすい気がするのです…。
昨年も、渡邉部長さんに伺って、
今年も、初参禅研修の方が、部長に聞いていた問い…。
お釈迦様が悟りを開いた際にしていたという
ヴィパッサナー瞑想は、目をつぶるんですよねー。
寝てしまう可能性とか、妄想が拡がりがちとかで、
目を開ける方がよいとも。
で、気功の先生に、「はっ」とする答えを頂けました~
気功では、「入精」というのが、坐禅に近い気がするのですが、
その時は、目を軽く閉じるんです。
で、目を閉じるということは、
「まぶたに力が入っている」訳です。
なので、本当に没頭できると、まぶたから力が抜け、
紙一重の「半眼」状態になる、とのこと。
なるほどねー
何事も、『自然体』で居られたら…と常々思うゆこもりには、
まさに、目からウロコのお答えでした…
そういう境地に、至れたらなー、と思いました。
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