アートステーション構想って知ってます?
さてさて、
泊まりがけで、東京方面に行って来ました~
最近、こういう「アートで繋げる」関係のイベント三昧のゆこもりです
にしても、「地域の活性化」って、
本当に死活問題というか、切羽詰まっているんですよね…。
先日ご紹介した、茅野のモチヨリチカバも、
アートを含めたイベントで地域を再活性化しようという試みでしたね。
ブログでは、ご紹介していませんでしたが、
信州大学でやっている「地域戦略プロフェッショナル・ゼミ」の
芸術文化の未来学Ⅰ』も、アートのイベント発生を介して、
地域課題を解決する人材育成をされています。
そんな中で、今回のシンポジウムです。
豊島区内には、2万戸以上空き家があるそう。
その大部分が木造で、賃貸アパートとして機能していた
いわゆる「木賃アパート」も空き家になっているとのこと。
かくいうゆこもりも、初の一人暮らしは東京、
しかも、豊島区内という奇遇
まさしく、6畳(か8畳だったか)一間に台所とトイレが付き、
洗濯は近くのコインランドリー、風呂は銭湯に自転車で行っていましたー
懐かしい…
たしか以前報道で、豊島区は、将来消滅する区というのがありましたが、
そういう危機感もあるのでしょう。
空き家、しかも木造という防犯・防災の難点を
アートでどうにかしよう、という試みな訳です。
実際、既に、山田荘という木賃アパートに
中崎透さんというアーティストが住み、
いろいろとイベントを開催しているそう
その名も「としまアートステーションY」
イベントと言っても、ガレージセールとか、書初めとか、かるたとか、だそうです
つまり、アパートの一室を開放し、
だれもが来やすいイベントを実験的に発生することで、
地域に何が生まれるのか、ということみたいです。
中崎さんがそもそも、郷里水戸で、
それに近いことを「遊戯室(中崎透+遠藤水城)」でやっていて、
舞台の「きわまり荘」がこれまた、独特の所らしい…。
やっぱり人
それも、こだわりのある中崎さんみたいなアーティストみたいな人が、
「何か」を始めるって、ワクワクしますよねー
で、そのとしまアートステーションYをやっている山田荘というのが、
これまた、「山本山田」という建築家+まちづくりのユニットの
ご実家が経営されている木賃アパートで、
「山本山田」が管理しているというところから、今に繋がるという
まあなんていう素晴らしいご縁
ゆこもりは思うんですが、この「建築家」が関わる、というのも
「ミソ」なんですよねー。
建築家って、面白い「立ち位置」で、アーティストと一般人の「はざま」で、
繋げ役みたいな立ち回りが出来る人な気がするのです。
アーティストはこだわるので、どうしても、通訳・仲介役が必要で、
でも、アーティスト側の気持ちもわからないとつい、一般側の「まともな」
ともすれば、「つまらない」ものに集約されてしまいがちなので。
で、「としまアートステーションY」を仕掛けているのが、
都や豊島区、そして、東京都歴史文化財団といった公的組織。
その財団の中に、東京文化発信プロジェクトを立ち上げ、
こういう事業も仕掛けているみたいですね。
さらに見ていくと、「東京アートポイント計画」というのがあります。
人・まち・活動をアートで結ぶことで、
東京の様々な魅力を創造・発信することを目指しているとのこと。
最終的には、NPOを育成し、
まちなかにある様々な地域資源を結ぶアートプログラムを
アーティストと市民が協働して実施・展開することで、
それらを可能にするプラットフォーム(=人的資源・拠点・ネットワーク)を形成し、
地域社会の担い手を生み出すことのよう。
やっぱり、アーティストという「異素材」をぶち込むことで生まれる「熱量」で、
何かを起こすという「化学変化」なわけですね。
それこそ、アートの潜在的パワーなのでしょう。
それは、ゆこもりがさんざんお伝えしている越後妻有トリエンナーレ・
あいちトリエンナーレなどのアートイベントで実証済みですものね
にしても、やはり、人的、経済的に豊富な東京ならではの感じ…。
さてでは、松本や浅間温泉だったら、どうするか…、ですね。
まあまあ、それは今回は置いておいて…。
後半は、実際に、アートステーションを立ち上げている方を呼んでの
ディスカッションというか座談会でした。
メンバーは、中崎透さん、谷中でHAGISOを主宰している建築家の宮崎晃吉さん、
吉祥寺でArtCenterOngoingを主宰されている小川希さん。
それぞれが、アーティストだったり、建築家だったり、
アートディレクターだったりするわけですが、その立ち位置から、
現場で起きている生の声を聞かせてくださいました。
本当に、それぞれの個性がもろに出ている空間を構成されているようで、
(すみません、ゆこもりはどれもまだ行ったことないです…)
藝大を出て、磯崎新の事務所にも居た宮崎さんは、
しっかりカフェをメインにしたスペースを作っている感じ。
ムサビを出ている小川さんは、その人脈を生かし、
もう少し、コアなアートを企画して、知る人ぞ知る感じ。
で、中崎さんは、まさにアーティストらしく、
採算とかではなく、やりたいことをやりたくなったらやる、という感じ。
…に、それぞれ聞こえました(あくまで、ゆこもりの主観ですので)。
で、それぞれが、それぞれに共鳴するファン、賛同者を得て、
5年とか7年とかやっているわけですから、ほんと素晴らしいです
実際にやっている方の言葉は重く、いろいろと参考になりました。
宮崎さんは、学生時代からシェアして住んでいた下宿が
駐車場になりそうだったところを、「最小文化複合施設」HAGISOとしてリノベーとし、
一階をカフェとして、様々なイベントを開催したり、
2階を美容室と自身の事務所としているとのこと。
「多ジャンルの積層」だったり、「自分の拠点づくり」をして、
場所を持って自由になったともおっしゃっていましたね。
谷中に対するアプローチも、されているようです。
この地元愛も大きなモチベーションですよね
小川さんは、「この場所を絶対に続けていく」という『覚悟』や『想い』について
語っていたのがすごく印象的でした…。
「必要だと思うことをどこまで本気で出来るか」とか、
「バラバラなことへの危機感」についても。
そもそも小川さんは、海外を旅した時の、老若男女が集う「アートセンター」が
どうして日本にはないんだろうという疑問から始めていらっしゃるので、
やっぱり独自なんでしょうね。
経済的には、宮崎さんの方がしっかりされているようですが、
やはり、この小川さんの「想い」は、波及した時には大きなものになるのではないか…。
ゆこもりは、そう信じたいです。
ほんと、これは、その人の「立ち位置」、「信じるもの」なんですよね。
目指している方向は同じだと思うのですが。
中崎さんはさらにアーティストらしく飛んでいて、
まずは、「こたつのあるアートスペース」を作るそうです。
「遊び方」を見つけるところだったり、時には閉めてしまって「やらなくていい自由」、
「趣味性の高いもの」、「閉鎖的closeなこと」の必要性をおっしゃっていました。
そうなんです、コアなアートは特に、全方位性は、はなから無理なんです。
そうなるととたんに、「薄まる」。
ゆこもりに来てくださっている方は、これらのお話しに、
ご納得してくださる、というか、苦笑なさっているかもしれませんね
まあ、当たり前ですけど、
自分のアンテナに引っかかるものしか見られない訳ですからねー(言い訳です)
皆さんが共通しておっしゃっていたのは、こういった拠点「アートステーション」が、
徒歩圏内みたいな各エリアにあってもいいのではないか、ということ。
まあ、現状で言えば、カフェがそれを担っているのでしょうね。
昔でいえば、お寺、銭湯などもそうでしょうか。
つまり、今、機能しなくなったり無くなってしまったこういった「集う場」を
「バラバラになっている危機感」とかをみんな本能的には感じていて、
現代版「集う場」としてのカフェが、これだけ出来ているのではないでしょうか。
でも、ゆこもりは、そこで思うのです。
カフェ以外に、「集う場」を担うものは、ないのだろうか…と。
ギャラリーをやっているとどうしても、「皆が気軽に来る」という風にはなりません。
美術好きでないと、買わないと、来づらいみたいですね…。
でも、カフェだと、ワンコインだし、何時間でもいられるし、ねー。
カフェばかりだから、安曇野なんか行くと、おなかがタップンタップン(苦笑)
なにか、他にいい「業種」はないですかね~~~~~~~~~~
と、結局、堂々巡りをしながら、
でも、絶対なにか、この「場」でさらにするぞ…と、想いを新たにしたゆこもりでした
今回のキーワード:「拠点づくり」「覚悟」「愛着」「地域密着」
シンポジウム 「都市のすき間-文化芸術が生まれる場所-」 HP
http://www.toshima-as.jp/#!y-symposium/clc3
↑
読んだらポチっと、お願いします♪
最近のコメント