141120&141204 石井柏亭レクチャー@松本市美術館by武藤美紀学芸員
松本市美術館の講義です♪
さてさて、
偶然、タイミングが合ったので、
松本市美術館の講座を受講してきました~
以前もご紹介した通り、
松本市美術館は、いろいろなイベントをやっているのです。
今回は、石井柏亭(1882~1958)という画家さんについて。
実は、ゆこもりと、石井柏亭画伯とは、とてもゆかりがあります。
(そのお話しはまた、当店においでくださった時にでも…)
で、石井柏亭さんは、戦中戦後の中信美術会において、
とても重要な方でした。
そのことは、wikipediaでもそうであるように、
東京出身で、フランスなど海外でも認められた柏亭さんの経歴(例えばこことか)では、
あまり焦点を当てられていないかもしれません。
で、この講義では、松本での柏亭さんの長野(特に松本)での
足跡をレクチャーして頂けました。
ほんと、地元密着の美術館とは、こうあるべきですよね
素晴らしい…
まずは、松本市美術館にある「石碑」から、
柏亭さんの生い立ちを紹介してもらいました。
柏亭さんは、おじいちゃんが鵞湖という日本画家、
(娘さんも水彩画家さんですので、四代続いていることになります)
ちなみに弟は、彫刻家の石井鶴三さんです。
柏亭さんは、11歳で、皇太子の御前で、今で言う、ライブペインティングまでしたそう
15歳で父鼎湖が亡くなり、一家を養うためか、父も務めた印刷局勤務ののち、
1904年には、今の藝大に入学しますが、
既に、若き才能を発揮していた柏亭さんは有名人で、一目置かれていたそう。
ただ、目の病気で、中退されています。
1910年には、渡欧。(1912帰国)
1913年には、加代さんと結婚。日本水彩画会を立ち上げ。
1922年には、文化学院の設立に寄与します。
1928年には、フランスより、レジオン・ドヌール勲章授与。
1935年には、帝国美術院会員となり、二科会を脱会。
1936年には、一水会を立ち上げます。
この一水会の名前の由来は、
「十日一水、五日一石」という中国の絵画技法から。
柏亭さんのアトリエはこんな感じ。
そういえば、こないだ行った平櫛田中邸もこんな採光だったなー。
若き日の自画像。
1945年3月9日 東京初の大空襲で、住居と研究所を焼失。
長野県松本市の東山温泉(現在はない)を経て、浅間温泉に疎開する。
(柏亭さんは、東山温泉について、「ぬるい」と言っていたらしい)
でここから、柏亭さんの松本を拠点とした活動が始まるわけです
いろんな会を立ち上げ、海外でも活躍している画家さんが来たわけですから、
そりゃ皆さん、柏亭さんの周りに集いますわねー
その様子を柏亭さんが描いた絵がこちら~
「中信酒客」(1953)
昔、カフェ―(あの「花子とアン」で出てた感じ)をやっていたころの鯛萬で、
柏亭さんにゴチになっている図のよう(笑)
いずれの作家も、有名な方で、
三代澤本寿は、2010年にも松美で展覧会をしましたが、
型絵染の作家で、松本の民芸を牽引した方だったりします。
余談ですが、この絵の下書きはこんな感じで…
というのも、小林章さんが、肖像を贈るなどしたからでは、とか
柏亭さんは、義理堅い、気配り屋さんだったんでしょうか
みんなで撮った集合写真が残っています。
右後ろには、三代澤さんいますねー。
左には、やはり浅間温泉にいた、関四郎五郎さん。
柏亭さん居宅の川向うのお隣さんには、
他にも、彫刻家太田南海さん
などなど…いろんな人が出入りしていて、写真を見ただけでも、楽しそう
1952年には、柏亭さんの古希祝いに展覧会も東京で開催。
私のイチオシは、なんといっても松本市美術館所蔵の「山河在」(1945)です
今のラーラ松本あたりを描いたもので、
浅間温泉から、松本駅まで行き、そこから歩いたとか。
柏亭さんは、健脚だったそうです。
この絵は、戦争に負けても、
こんな素晴らしい風土が日本にはあるじゃないかという
柏亭さんの「気迫」「気概」が感じられ、
絵の前に行くと、思わず感動します…
そのときに、詠んだ句がこちら。
是非、見て頂きたい作品です
1958年12月29日16時東京女子医大で76歳の一生を終えました。
まずは、一通りどうにか書きました…
随時、追加するかもしれませんが、まずはここまで…
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