« 2013年1月 | トップページ | 2013年3月 »

吉左衞門X 暗闇の音 静寂の光@佐川美術館(琵琶湖のほとり)

いつ見ても、かっこいいです…♪

 

1302200

1302201

1302202_2

1302204

1302206

1302205

1302207

さてさて、久々に、滋賀・琵琶湖畔にある

佐川美術館に行ってきました♪

毎年、秋~春先までやっているシリーズ吉左衞門X

これは、千利休より乞われて茶碗を制作した初代長次郎から続く

樂焼の15代 吉左衛門(以下、当代)さんと、

”何か”違うジャンルのアーティスト(つまり、X エックス)が、

繰り広げる展覧会です。

当ブログでも、200720082010年と、紹介してきましたが、

シリーズ4回目は、高谷史郎さんとのコラボレーション。

高谷史郎さんは、1963年生まれ。

1984年創設、アーティストグループ「ダムタイプ」のメンバーです。

私は知らなかったのですが、坂本龍一さんと共同制作インスタレーションをしたり、

以前ご紹介した、中谷芙二子さんの”霧”の作品を一緒にしたりしているそう

(私が見た、2008年横トリの三溪園でのインスタレーションは、参加されたのかわかりませんでした)

あの中谷芙二子さんの”雨月物語”は、最近忘れっぽくなったゆこもりでも、

今でも、衝撃を覚えている作品です…。

今回、キューレーションした学芸員さんから、聞いたのですが、

実は、昨年の10~11月にかけて、今回の展覧会のイベントとして、

茶室の周りに、”霧”を演出したのだそう!!

くぅ~、見たかった~~

茶室周りの葦と相まって、とても幻想的だったみたいです…。

で、当代も参加の茶会までも開催されたという…。

参加できた方は、羨ましい限りです、はあ(ため息)…。

ちなみに、ゆこもりは見られなかったのですが、

今は、3/3までの金・土・日・祝日に、高谷さんが光で演出をしているそうですよー。

本当に見たかった…。 残念…。

で、本題ですっ

樂吉左衛門館は、まず、階段を下りて、地下に潜ると、

エントランス・ロビーに5台のスピーカーが。

何やら、音がします…。

しかも、コンクリの壁に響き、違うところから。

で、よく見ると、スピーカーも360度回転しています!

よくよく聞いてみると、どうやら茶碗を削る制作中の音とか、お茶会での音のよう。

ここだけでも、その場での臨場感、緊張感が伝わり、

ピリッとした空気が心地よい感じでした~

で、展示室内部はというと、

「守破離」それぞれのスペースになっています

1302208

まず、入ってすぐの「守破離の彼方」の間は、

当代の最新作 焼貫黒楽茶碗に

こともあろうか(笑)、三方から、レーザー光線&白い光が照射されていました

でも、いつもと違った茶碗の”肌質”が見られて、新鮮♪

光をあてるから、いつもとはまた違う、陰影が見られるんですね。

緑のレーザーが当たると、釉薬がキラキラ光って、キレイ…。

あと、光を上から下に、徐々に退光(つまり、光をなくす)していくと、

まるで、釉薬が溶け落ち、流れ落ちるよう!!でした

すごい視覚効果

単に映像だけではない、”光”の作品の可能性を垣間見た気がしました。

当代曰く、

”0でも1でもない領域の遍在=自然と、

0もしくは、1を二項に抽象化される事象=人工との

ダブルスタンダードを我々は生きている。

「0 or 1」という論理的虚構が、実在としての茶碗をも虚構化していく”とのこと。

そして、レーザー光線を浴びる茶碗に対して、

”それは、想像に反して、闇の中で美しく明滅をくり返す茶碗の姿であり、

「実在」を奪われ、浮遊感を伴いながら、どこかせつなく、哀れに美しく私は感じた”とも。

そう…

普通の茶碗の見られ方からはありえない、

敢えて言えば、まるで今までの”存在”を否定するかのような見せ方。

それを、当代は、”「実在」を奪われ”と表現したのかな、と思いました。

ただ、そう見せることで、”存在”に内包される権威などを脱ぎ捨てさせ、

一塊の”もの”として、改めて見たとき、”どこかせつなく、哀れ”かな、と。

そういう意味では、高谷さんの”目論見”は、見事成功という事でしょう!

で、続き…

次の間は、「昼の航海」。

ここでは、高谷さんの雲の写真と、茶碗のコラボレーション。

茶碗のタイトルが”洸雲に浮かれてⅡ(2003)”とか、

雲の写真にに合わせた当代のしゃれっ気でしょうか。

さらに対の間「夜の航海」では、

Topographという、茶碗の外周の連続パノラマ写真と茶碗とのコラボ。

これも、面白かったです。

茶碗の展示って、後ろが見えづらいじゃないですか。

それを、全て見せてくれるというだけでも面白いのですが、

平面に連続で見せることで、

なんだろう…、実物を見るのとはまた違う見え方がするんです。

そう、何か新しいデザイン・意匠のようでした。

例えば、”吹馬”は、正面の黒釉の流れが、まるで馬の様なのですが、

それを真ん中にして、一つの絵の様でした。

こういう映像などを使う作家さんは、

”見え方”の新しい提案をするのが、真骨頂なわけでしょうから、

そういう意味では、まんまと高谷さんの術中にハマっちゃいましたねー(笑)

で、さらに奥の「破の守」の間では、

camera lucidaという、茶碗の一部をレンズで映して、逆さに見せるもの。

これは、一部を逆さに、しかもぼかせて見せているので、見づらい(笑)

まあ、そこが”売り”なんでしょうが、これはイマイチ、ピンときませんでした(苦笑)

で、隣の「破の破」の間は、

映像作家さんらしいビデオを使った Toposcan という作品と茶碗。

これは、茶碗の外周を、今度はビデオで撮影し、左から右へとロールさせ、

さらに、色に”分解”して、まるで映像ノイズのような”線”にしていました♪

う~ん、見たら一瞬なんですが、文字で書くと、無理が…(苦笑)

これも、色に分解することで、

この茶碗は、全体的にはこういう色味なのね~、と思いました。

で、最後の「離」の間。

ここでは、「離」、つまりまあ、今流行でいうところの破天荒ってところ!?でしょうか。

もう、茶碗を見せる感じではありませんでした(爆)

120°projection という、茶碗をスクリーンがわりにして、画像を投影するという暴挙!

しかも、その映像は、「戦争」「災害」といったキーワードを無作為で抽出したものだそう。

これのために、当代は、作ったことのない「白い焼貫茶碗」を高谷さんの依頼で、

一年かけて制作したそうです。

あとで学芸員に聞いたら、当代は「白」に特別な思い入れがあって、

茶碗で、白だけというものは、制作したことがなかったそうです。

あと、ひしゃげ具合がまるで、画像を投影しやすくするかのように、

平面っぽくなっているように見えたので、聞いてみたら、

そういうことはしていなくて、あくまで、”使うもの”として、制作されているとのこと。

そうですよねー、そこまで、妥協?というか、歩み寄るというかしたら、

茶碗、しかも樂家という枠組みから、はみ出ちゃいますものねー。

でも、当代の、樂家の樂茶碗というレギュレートの中での、

ギリギリの挑戦は、あの展示空間と相まって、まあ、ワクワク・ドキドキ

改めて、伝統というのは、その時代とともに生き、その時代の先端であるべきなんだな、と

当代の活動を見て、つくづく思います。

くぅ~、痺れたー

4/7まで。上記したイベントも是非♪

佐川美術館 HP

http://www.sagawa-artmuseum.or.jp/cgi-bin/raku/detail.cgi?file_id=20120929_00000014

~ちょこっと、お得情報♪~

コンビニで、前売り券を売っているので、200円引きになりますよー♪

にほんブログ村 美術ブログへ

    

ぜひポチっと、お願いします

続きを読む "吉左衞門X 暗闇の音 静寂の光@佐川美術館(琵琶湖のほとり)" »

130214 一水会の作家たち -奥田郁太郎の生誕100年-展@松本市美術館

2/14は、男性無料開放日だそうで~す♪

 

1302141

さてさて、松本市美術館では、常設展のみですが、

一水会の作家たち -奥田郁太郎の生誕100年-展 が開催されています

松本市美術館は、現在2200点余りの所蔵作品があるそうで、

その中の一水会関連の作家の作品が40点ほど公開中です。

一水会は、ゆこもりとも、とても縁のある石井柏亭さんたちが、

1936年に立ち上げた美術団体です。

一水会作家の作品は、松本市美術館のコレクションの中核をなすそうで、

信州の自然を題材にしたものがメインです。

いくつか目を引いた作品がありました

まず、古市幸利(1918~2001)の”岩と苔と水と(赤沢渓谷)”(1974)

初めて見る作家でしたが、タイトルの通り、

岩壁と苔と水面の描写が素晴らしくて、ゾクッときました~~

日本山岳協会会員ということで、他の山や川、渓谷の絵が見たい!と思いました。

さらに、小平鼎”ノートルダム寺院”(1961)は、

群青の”青”が、とてもとても綺麗で、

他の作品に比べて小品でしたが、目立っていました

中村善策(1901~1983)の”後立山連邦と犀川”(1974)は、

ゴーギャンのような、豪快なタッチで、圧倒されました♪

かたや、加藤水城の”秋草”(1978)は、

花瓶といい、花といい、精緻な筆致でキレイでしたよー♪

近藤光紀(1901~1948)の”白壁のある風景”(1948)は、

ゆこもりのすぐ近くに、今もある土蔵の白壁の風景で、

うちの父も当時感染して大変だった、腸チフスでなくなる前の、近藤、最晩年の作品です。

70年経っても、ほぼ同じような景色が残っているなんて、貴重ですよねー。

今日、2/14は、バレンタインデーということで、

男性は、無料開放日とのことでした♪

ということは…、そう!

3/14は、女性無料開放日ということのようですよー!

よかったら、是非

松本市美術館 HP

http://www.city.matsumoto.nagano.jp/artmuse/p4/p3-html/p3-permanent.html

 

にほんブログ村 美術ブログへ

    

是非ポチっと、お願いします

かんてんぱぱ 野村陽子 植物細密画館@かんてんぱぱ(伊那市)

とても細かく精密でした♪

 

130202nomurayouko_1

130202nomurayouko_2

さてさて、久々のかんてんぱぱです♪

いつの間にか、奥の方に、新館がありました

野村陽子植物細密画館

俗にいう、ボタニカルアートですね。

野村陽子さんは、ムサビで工芸デザインを学んだ後、

テキスタイルのデザインをしていたそうですが、

45歳過ぎから、ボタニカルアートを始められたそう。

ボタニカルアートって、実物大なんですね~

ヤマユリなど、背丈以上のかなり大きな作品もありました

毎月第一土曜日は、野村さんの在館日だそうで、

ちょうど作家さんがいらっしゃり、一緒に写真撮影してくださいました♪

130202nomurayouko_5

最近作で、おもちゃかぼちゃの細密画があり、

そういえば、母が好きで、栽培していたことを思い出し、

記念に複製画を購入、サインまでして頂きました

(今は、仏前に飾ってあります♪ 気に入ったかなー。)

それにしても、本当に細かい描写でした…

”たばこ”なんて、近くにルーペまで置いてあって、

それで見ると、やっとうぶげまで描いてあるのが分かるくらいなんですよー!!

それから、入口にあった二枚の、黒壁に制作依頼したステンドグラスも綺麗♪

130202nomurayouko_3

130202nomurayouko_4

複層にすることで、立体的でした!

新館は、2009年に出来たそうですが、

かんてんぱぱの会長さんの白羽の矢で、野村さんが抜擢されたそう。

野村さんは、そんなに有名でもなかっただろうに、

会長さんはやっぱり、目の付け所が違うな…、と思いました。

かんてんぱぱ敷地内の高台にあるので、景色も素晴らしかったです♪

ホールでは、グループ展などいろいろな催し物をやっているので、

一緒に見に行ってくださいな。

庭も有名で、素晴らしいので、春~秋は、そちらもオススメですよー。

 

かんてんぱぱ 野村陽子植物細密画館 HP

http://www.kantenpp.co.jp/garden/kantenpapamuseum/index.html

追伸 隣りの別館では、骨密度や視力、血圧から、体力測定などなど、いろんな測定が無料で出来るんです!

小1時間で現在の体調がわかるので、よかったですよっ!

 

 

 

にほんブログ村 美術ブログへ

    

是非ぜひポチっと、お願いします

信州新世代のアーティスト展2012 next+ @伊那文化会館(伊那市)そのほか伊那巡り

信州にも活躍中の若手作家が結構います♪

 

130202next_2

130202next_1

さてさて、2/8~24まで、ホクト文化ホール(長野市)にて、

信州新世代のアーティスト展2012 next+が、開催されます。

今年3回目の長野県ゆかりの若手作家を支援する事業by長野県

いつもご案内を送って頂いていたのですが、

長野市に先立って行われていた伊那市文化会館へ初めて、伺いました

陶芸・ガラス・木工といったクラフト中心ですが、一人だけ版画家の方が。

田嶋健さんという方ですが、面白かった~♪

おととし信毎の連載で、挿絵を担当されていた時の”井月(せいげつ)をめぐる旅”が、

なんていうんだろう…、軽やかで楽しく、ユーモラス

技法も、”凹凸平板一版刷り”という主版を彫って刷った後、

色版としてさらに彫ってしまうという二回刷りの珍しいものだそう。

他に、”凛-蝶- シリーズ”の被せガラスが綺麗だった藤井孝行さん。

デスクライトやフロアランプが印象的だった木工家具のコバヤシユウジさん。

海野宿で、工房橙をやっている寺西将樹さんは、すっごい大きい鉢の

”Gold Crown"シリーズがすごかった。

二度ほど、海野宿にも行って、小品も持ってるんですが、

あんな大作を作る作家さんとは知りませんでした。

奥さまの寺西真紀子さんのCUBICオーナメントもカラフルで綺麗でした♪

信州新世代のアーティスト展2012 next+のHP

http://www.n-bunka.jp/next/

ホクト文化ホール HP

http://www.n-bunka.jp/schedule/2013/02/2127.php

にほんブログ村 美術ブログへ

    

是非ぜひポチっと、お願いします

続きを読む "信州新世代のアーティスト展2012 next+ @伊那文化会館(伊那市)そのほか伊那巡り" »

« 2013年1月 | トップページ | 2013年3月 »

フォト
2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

にほんブログ村

  • にほんブログ村

facebook

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

バナー

  • 芸力
  • 個展なび
  • チルチンびと広場
  • ナガノナビネット

カウンター