越後妻有トリエンナーレ2012~十日町エリアその4・津南エリアその3~
はつがの家ワークショップに参加しました~♪
さてさて、
妻有トリエンナーレも昨日で終わってしまいましたが、
こちらもとうとう、妻有トリエンナーレ報告最終回です
前回よりも、結構大勢の人が、車中泊で、キナーレに駐車してましたねー。
時々、アイドリングしたまま、駐車している人がいて、
アイドリング音が結構うるさかったりして、どうも眠れず、今朝も、5時起きでした…。
まだ、朝でも日が強いので、建物の影に駐車。
皆さん、心得ていて、キナーレの建物の影になる駐車スペースは一杯!
で、9時にキナーレへ。
昨日から気になっていた本棚…。
どんな人が、手がけたのか、どうしても知りたくなって、
開店メンテをしていた店員さんに聞いても、詳しいことはわからず…。
で、よくよく見ていると…、
なんとっ、これも”粟津潔文庫”という展示作品でしたっ!!
文明論関係までありました。
粟津潔さんといえば、
金沢21世紀美術館で2007冬~2008春に開催された
「荒野のグラフィズム:粟津潔」展を見て、
初めて知ったのですが、
皆さん、ピアノが燃えていく映像とか、どこかで見たことないですか?
あれは、「ピアノ炎上」という、粟津さんの実験映像で、
ジャズピアニスト山下洋輔さんが燃えるピアノに向かって演奏をするもの。
その粟津さんの蔵書が、ご遺族から寄贈されて、
こんなところに、さりげなく、しかも、自由に見られる状態でありました!!
後で知ったのですが、粟津さんは、2000、2003と妻有に参加されていたそうで、
そういうつながりで、ここに蔵書があるんですねー。
いやー、恐るべし妻有トリエンナーレ…。
チェックをし始めたら、この本棚だけでも、結構、時間使いますよー
そして、ちょっと話は逸れますが、
書庫の中に、故・黒川記章さんの書いたもので、”ノマドの時代”というものが。
今でこそ、ノマド的仕事の仕方とか、聞くようになりましたが、
黒川さんは、1989年時点で、それを本にして書いていました…。
ノマドって、20年以上前から存在していた言葉だったんですかねー。
他にも、気になる本がいくつかあって、本当に粟津さんの奥深さを垣間見ました
そして、いくつかの展示を回ってから、お昼頃に、絵本と木の実の美術館へ。
駐車するのに、すっごい渋滞で、速攻諦切り替え、路駐。
来る途中、車もすれ違わないド田舎なのに、ここだけ、駐車大渋滞(爆)
さすが、会期最終連休だけあります。
3年ぶりの展示は、ひどいこと(すみません…)になってました(苦笑)
2012バージョンの企画展示はこんな感じ。
前回の展示の方は、進化???して、足の踏み場もないほど、床までいろいろ展示。
で、本日のメインイベント
はつがの家プロジェクトの”臨床美術のプログラムワークショップ”へ♪
はつがの家プロジェクトの場所は、
前回、2009年は、今回ワークショップをした部屋がまさに、
嵐を再現した、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー”ストーム・ルーム”が、
展示されていたところでした。
毎回、案内の看板が不十分で、
展示会場の場所に行くのに、若干手間取るんです(苦笑)
はつがの家は、
”臨床美術士が、認知症の改善や発達が気になる子どもへのケアとして、
1996年に実践研究をスタートさせた臨床美術”を紹介する展示空間。
いやー、そういうプログラムや
臨床美術士さんていう方がいること自体も初めて知りましたねー。
”続きを読む…”に、ワークショップの詳細を書きますが、
1時間位の間、10人強の参加者と、
楽しく、和気あいあのあっという間の時間でした~♪
同じ手順を踏んでも、結構、十人十色、千差万別になるんですよね。
最後に、皆の作品の寸評会があったのですが、
”そんなやり方もあるのか…”とか、いろいろ発見があって、
やはり、素人作品に、魅了されちゃいました
例えば…
これは、幼稚園くらいの男の子の作品。
大人は、余白がないように描き込む方がほとんどなのですが、
この子のは、大胆な余白が新鮮でした♪
そして、若い男性の作品。
これは、ひたすら茶色を塗り込んだらしい。
まるで、木肌の様で、
最後に刷り込んだシッカロールが木目感をうまく引き出してましたねー♪
そして、今回二度目、連日の車座おにぎりへ~♪
すっかり、ご馳走になっちゃってますが、本当に、おいしいんですもの♪
すでに、始まっていて、ササっと混じっちゃいました(笑)
今回は、さすがに新米ではなく、
昨日の津南が、いかに特別であったのかがわかりました。
ここで、おいしかったのが、食用のほおずき
一般的なほおずきよりも小ぶりで、実は黄色く、
食べると、なんとも甘いんです♪
ここら辺では、当たり前の食材とのこと。
こういうイベントだからこそ、わかる情報ですねー。
そして、前回ご紹介した、京都精華大の展示へ。
窯は、炊き終えていて、ちょうど窯出しの最中♪
残念ながら、妻有の土だけで作ったものは、
ドロドロになっているものが多く、耐火性が低いようでした。
そして、五指に入るとお伝えした
中島伽耶子さんの展示と再開♪
やっぱり、落ち着くとともに、なんだか切なくなります…。
それと、この作品は、昔も見た気がするんですよねー…。
デジャヴというやつでしょうかね…。
ちょうど、中島作品に魅了されたおばさまとも、
作家さん交えて、話に花が咲きました。
そして、今トリエンナーレ最後のイベント、
アン・ハミルトン”A Cloud of Sound”へ。
17:45からという、夕闇迫った時間で、
ギリギリにどうにか間に合いました。
既に、100名くらいのたくさんの人が、
ドラゴン現代美術館のあの狭い所にいました。
皆さん、いろいろ役目を担っているようで、
パラシュートを動かす人、紙ひこうきを持って飛ばす人、
息を吹き込むチューブを持っている人、アコーディオンを準備している人…。
で、指揮者の合図で一斉に開始すると、いろんな所から音が鳴りだし、
パラシュートは上下し始め、最後には、紙ひこうきの乱舞で終了~。
まあ、なかなかうまくいったとは、言えない出来でしたが、
なんだか、やりとげた一体感がありました♪
これで、妻有トリエンナーレ2012報告は、以上です。
結局、5泊6日となりましたが、
以前から見ているものを省いても、これだけかかるので、
本当にすごい規模です。
とても、(今回から)公的助成金なしでのイベントとは思えませんでした。
だがしかし、前回より、小粒になったのは、確か。
今回、いろいろなイベントにお邪魔して思ったのは、
今後はさらに、こういう体験イベントを充実させれば、
あまり有名な外人作家に(少しはお願いしても)
そんなに頼らなくてもいいんじゃないかなー、ということ。
それぞれの展示を設置して終わり、という段階では、
かなりエキセントリックなものでない限り、
物足りなくなっている自分に気が付きました。
そういう”仕掛け”は、(一概には言えませんが)どうしてもお金がかかります。
ちょうど、世の中は、一極集中から、分散拡張の流れ。
いろんなものが、そういう方向に向かっていることを
アートの世界でも感じました。
ちょうど、刈り取りの頃となっていました…。
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臨床美術のプログラムワークショップの工程ですよー♪
さてさて、
絵を描くワークショップですが、
1時間くらいで完成するようなカリキュラムで、
きちんと、手順に沿ったものでした。
私なんかは、あらかじめ、完成した展示作品を見ていたものですから、
”こう描こう”なんて、おぼろげにイメージしていたのですが、
その手順で、初めから、すっかり想定外のものとなりました(苦笑)
まずは、用意された用紙なのですが、
ケント紙に、紙質の荒い、各自違う形の紙が貼られたものが配られました。
使うのは、オイルパステルという具材。
それに、まず、青色で縦に線を描きます…
さらに、力加減を変えて描き、パステルの持ち方を変えて描き…
黄色に変えて、”グニャグニャ”言いながら、曲がった線を描き…
描いたところを指でこすって、色を混ぜたり…
他の色も使っていきます…。
どんどん、思い描いていたものと違って、戸惑う…
こうなったら、最後くらい、思うようにしたれーと、真っ黒に
ただ、これは、やけになったのではありません!
ここから、スクラッチしていくと…
ちょっと、棟方志功とか、影絵の藤城清治っぽくなったかも!?
最後に、マスキングを外し、表面全体にシッカロールを塗りこすると、
表面に光沢が出て、パステルもべとつかずに、落ち着きました。
なるほど、シッカロールを使うなんて、面白いですねー。
以上、臨床美術のプログラムワークショップの工程でしたー♪
はつがの家プロジェクト”臨床美術のプログラムワークショップ” HP
http://www.echigo-tsumari.jp/calendar/event_list_of_regular_workshops_2
はつがの家の様子 HP
http://www.arttherapy.gr.jp/notice/wp-content/uploads/2012/09/hatuga.pdf
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