中之条ビエンナーレ2011感想その4~沢渡温泉&暮坂エリア~
さらにさらに続きです♪
重機の跡がないので、まさか手掘り??
さてさて、
群馬県中之条で10/2まで開催中の
中之条ビエンナーレ2011
報告その4 です
四万(しま)温泉エリアから、
長野方面に戻りつつ、
時間と競争しながらでした。
この中之条ビエンナーレでは、
一応時間が決まっていて、
9:30-17:30なんです。
しかも、木曜定休!
定休日のあるビエンナーレは、
初めてだったので、皆さんも気を付けて!
時間外でも見られるところもあるのですが、
やはり、だんだん日が短くなっているので、
妥当な時間設定かな。
但し、、、
朝は受付の人が遅刻してくることがあります(爆)
地元の人に任せている所だったのですが、
おばあちゃんが、ゆっくり来ました(大爆)
ではまず、沢渡エリア。
ここは、
”中村岳 「遡及空間」”が面白かったですね。
玄関を入ると、
まず、”邪魔だなあー”と思います
で、入ると分かります、その訳が。
使っていた古民家が、
ちょっと変わった趣のある建物で、
だからこそ中村さんは、
ここを使ったんだなーと思いました
あれは、元々だれが建てたんだろうな~。
桟や縁側、戸袋に、丸材を使っていたりするんです。
あれは、多分以前の建物そのままのもの。
神社がすぐ近くなので、神主さんの家だったのかも。
ああいう建物の展示も面白いですねっ♪
そしてっ!!
暮坂エリアは、中之条ビエンナーレ2011の中で、
絶対にはずしてはいけない作家さんがいました!!!
ゆこもりも、夕刻迫って来ていたので、
まあ、さらっと見て終わりかな~と、
たかをくくっていました。
その最終場面で、最高の作品と遭遇
順序的には、これでよかったと、後々思いました。
皆さんも、暮坂エリアは是非、最後にしてください。
これを最初に見てしまうと、
全てが霞む可能性があります。
そういう意味では、劇薬です(劇爆)
それは、、、
”今井尋也 「虚構の民族Gの遺構群」”!!!
この作家さんは、非常に手が込んでいて、
まず、花楽の里で、写真と映像による
云わば、予告編をしています
ここで、”なんじゃらほい?”と思わせておき、
その先にある広大な暮坂芸術区で
実際に、壮大な展示を繰り広げていました~♪
この暮坂芸術区。
すっごい不思議な場所で、
芸術区というんだから、
アーティストに開放している分譲地みたいなものなのか?
と想像していました。
まあ、確かにそんな感じでしたが、
どこか、夕刻ということもあって、
うら寂しい、寂寥感漂うところなんです。
どうも、そういう計画が頓挫したところなのかも。
そう見ると、いろいろ合点がいきます。
すっごい広大な敷地に
打ち捨てられた別荘風の建物が点在し、
ちょっとだけ、住んでいる人もいましたが、
まさにゴーストタウン。
でも、整備したら広いであろう
敷地内道路なども完備されていて、
ヘリポートらしき〇にHの文字まで!!!
なんだか、見れば見るほど、不思議漂うところ。
作家さんは、そういうものを
見逃すはずがありませんね
その〇にHのところで、
作品を設置していた作家もいました。
で、肝心の今井作品はというと、
そのクマも出るような鬱蒼とした
森の中の暮坂芸術区で、
20~30分かけて、散策させるというもの。
西暦3011年から見て、
ここらに民族Gがいたらしいというテイで、
その遺構を捜し歩くという”宝探しゲーム”
まあ、一つ一つの”遺構”は、
わざとやっているのかもしれませんが、
決して、完成度の高いものではありません
(作家さん、スミマセン(汗))
でも、まあ、架空の遺構なんだから、それでいいんですよ。
もし、素晴らしい民族の遺構だったら、
完成度はあげないといけないこもしれませんけど(笑)
(縄文土器なんかは、その最たるものですよね)
いかに、想像力を膨らませ、世界を構築し、
それを他人まで楽しむものに仕立て上げるか。。。
どのエンターテインメントでも大切なものですね。
ともすれば、芸術は、自己満足になりかねません。
実際、このビエンナーレでも、散見されました。
今井さんは、そこの視点がしっかりしています。
見に来た人たちを楽しませようとしています♪
まあ、今井さんご自身がこの中之条ビエンナーレで、
一番楽しんでいたんじゃないかな(笑)
あとで見たら、なるほど、芸術家というよりも、
パフォーマー・演者でした。
すっごい、腑に落ちましたねー。
あれは、画家や彫刻家はもちろん、
現代アートの作家でもなかなか出来ません。
本当に楽しい発掘時間でした…。
多分この作品は、賛否両論あるとは思いますが、
皆さんも是非、今井さんの世界観に浸ってみてください。
見えなかった”何か”が、見えてくるかもしれませんよ♪
(9/28 一部改変しました)
中之条ビエンナーレ2011 HP
http://www.bi-ku.com/nakanojo/index.html
↑
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中之条ビエンナーレ2011 総評
中之条ビエンナーレ2011を
報告してきた訳ですが、総評をば。
今回で3回目ということでしたが、
全体でいうと、妻有トリエンナーレを
越えられないジレンマを思いました。
まず、ビエンナーレという間隔。
妻有も中之条も、2~3年に一度とはいえ、
間の年には、小さなイベントを開催しているようです。
そういう”助走”をしながら、本番を迎えているのですね。
だとすると、2年ごとというのは、
準備期間としてはあっという間でしょう。
ただ、何をもって短いとするか。
ゆこもりは、妻有を最初に見てしまっているので、
どうしても、それと比べてしまうのですが、
妻有は、海外からも作家を招聘して、
いかにも、野外展示に長けた作家を配置しています。
他の作家にしても、
実際に準備する時間もかなりかけているようです。
そういうことでいうと、3年ごとになるのでしょうね。
そういう質を求めなければ、毎年でも可能かもしれません。
ただ、そうしたら、遠方から、
わざわざ来る人は、多分減るでしょう。
今回、展示した作家で、果たしてどれだけの人が、
実際に現地を歩き回り、
現地の人たちと交流を深めた人がいるでしょうか?
少なくとも、作品からそういうことを感じられた作家は、
本当にごく一部でした。
そういうことに慣れていない作家が
多かったのかもしれませんし、
時間・費用がなかったのかもしれません。
でもそれで、妥協していたら、
作家と地元のごく一部が楽しむ、カルトなものになるでしょう。
それでもいいという人もいるかもしれません。
でも、魅力あるものにしたのなら、
やはり人は、ほっておけないのです。
今回は、中之条ビエンナーレの分岐点な気がしました。
是非、頑張ってほしいものです。
妻有や瀬戸内とはまた違った、
この土地固有のアートイベントになる可能性が
十二分にあるのですから。
↑
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