河井寛次郎展@富山県水墨美術館
12/19までです!
さてさて、
現在、富山にて開催中です。
寛次郎 生誕120年記念ということで、
日本民藝館はじめ、
いろいろなところでやってますね。
富山では、棟方志功をはじめとして、
民藝運動とゆかりがあるので、
結構、寛次郎展も開催されます。
今回は、京都国立近代美術館所蔵の
川勝コレクションがメイン。
これは、いつ見たかなあ~、
とても久しぶりに、
ポスターの表紙にもなる代表作
花鳥扁壺(1952)を見ました。
ほんと、いつ見ても斬新で、
意欲的というか、野心的作品。
いっちんで図案を描いていて、
そこに、釉薬を掛け分ける。
まるで、有線七宝のようです。
フォルムも、鳥を模しているのかな。
これが、60歳を超えてからの作品なんだからスゴイ。。。
他に、やはり代表作 打薬扁壺(1939)や
今回、目を引いたのは、
砕苺(さいぱい)紅瓶子(1921)、青瓷鱔血文桃型孟(1922)、
青磁鱔血文桃注(1922)の辰砂の色味でした。
砕苺紅瓶子は、地の白が一部出ていて、
まだら模様のようでした。
青瓷鱔血文桃型孟は、青と赤のコントラストで、
赤がより鮮やかで、銘のとおり鮮血のようでした。
桃型というフォルムも面白いし!
ほんと、ため息。。。
このコレクションの川勝さんという方は、
元々、高島屋の企画担当の方のようで、
寛次郎作品を、時には寛次郎と相談して、
作り上げた人。
最終的には、海外に寛次郎を紹介して、
ビエンナーレで賞を取ることになったりもして、
本当に、寛次郎を支えた人です。
ギャラリストの端くれとしては、
川勝さんのすごさも、ヒシヒシ感じました。
そこまで、のめり込める間柄。
再び、ため息。。。
島根県立美術館や河井寛次郎記念館からも、
作品が出品されていて、
富山では、ゆかりの作家
棟方志功も充実していましたよ。
是非、見に行ってください。
”富山県水墨美術館”
http://www.pref.toyama.jp/branches/3044/exh_1006.htm
↑
ポチッと、押しましょうよ!
寛次郎さんは言葉も秀逸です!
展覧会場には、
所々に寛次郎さんの言葉が飾ってあります。
一部、紹介しますね。
くたびれを知らない形ー民芸
素晴らしくてもいけない
ふぬけてもいけないー民芸
素晴らしくなくてはいけないー美術
追いかけた美 作る者が主体ー美術
追いかけられた美 見る者が主体ー民芸
美は捨てた時が得た時
求めなければ与えられる
美を捨てる仕事ー美術
物は皆見る人のもの
見る人の力だけのもの
~いのちの窓 それ以後 より~
ゆこもりも、いつも言ってますが、
(今日も、お客さんに言ってました(笑))
見る側が、それを”すごい!”とか、
”きれい!”とか”きゃわいい!!”とか、
認めなければ、その人の中では、
”位置を占めたことにはなりません”
爪あとを残したことにはならないのです。
つまり、寛次郎は、民芸と美術の違いで言っていますが、
これは、どちらにも共通する”根本的なもの”だと思うのです。
若冲なんかが、いい例ですよね。
最近でこそ、辻さんをはじめとする評論家たちが、
光を当てたことで、ここまで認められるようになった訳ですが、
ちょっと前までは、プロでさえ、敬遠しているような画家だったんです。
見る側の認識で、ここまで変わる訳ですね。
だからこそ、難しいことではありますが、
作品に、真摯にニュートラルに、対峙しなければ、
と思いを新たにした言葉でした。
↑
ポチッと、いかがでしょう?
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